おはようございます。北海道十勝鹿追町の公務員、図書館で働いている石川誠です。
さて、「へー、こんな本、あるんだ。ちょっと読んでみようかな」というきっかけになってほしいと思って「今日は何の日?」をテーマに図書館の本を紹介しています。
田中みのるさんのメルマガによると(田中さんのホームページでも調べられます)だいたい一年365日、「何かの日」になっているそうです。
3月19はこんな日です。
ミュージックの日、アカデミー賞設立記念日、カメラ発明記念日
ミュージックの日でした。
「はじめてアコギをさわる人のためのギター安心講座」奥秋ユキエダ 2004年刊行
「初心者のドラム基礎教本(ドラムのリズムが叩けるように、手足の動きを1から丁寧に解説!)」枝川淳一 2011年刊行
「エレキ・ベースが弾けちゃった(楽譜が苦手な君でもOK!これは便利!!)『コード表』付き!!」江部賢一 2010年刊行
今日はバンドとダンスのイベント、ステージザウルスが鹿追町民ホールで行われます。16時30分からです。ぜひ!
カメラ発明記念日でした。
「わたしたちの『撮る教室』」小寺卓矢・石川晋・石川学級41名の生徒たち 学事出版
2016年刊行
奇しくも、こちらの本の刊行記念講演会が帯広の岡書で昨日行われていました。
図書館ボランティアさんに誘われて行ってきました。
写真家で写真絵本作家の小寺卓也さんは、鹿追町でも文化講演や、写真絵本作りワークショップを開催してくれて、その中でボクもこの世で一冊の写真集を作りました。
「あ、来てくださったのですね」と声をかけてくれました。覚えていてもらって嬉しかったです。
さて、この本は、北海道上士幌町中学校の石川先生のクラスで一年間かけて生徒たちが、一年かけて一冊の写真集を作るという試みの記録です。
プロの写真家で写真絵本作家の小寺卓矢さん(芽室町在住)が指導したり、自由に任せたりして彼らをナビゲートしたりしなかったり(微妙なニュアンスですが)して、生徒たちが自分の思う「学校生活の価値」を写真に収めていきます。
最初はプロとして、技術の高い写真の撮り方を教えようとしていた小寺さん。作品作りの信条としてとにかく多くのもの、瞬間をカメラに収めることがあります。
数百枚、校内のあちらこちらで撮影する生徒もいれば、十分の一も撮らない生徒もいました。
「数を撮らないとダメだ!」と思っていたのですが、途中で、「そればかりが大切ではない」と気がついたそうです。それぞれのペースでいいじゃないか、と。
そして面白いことに、生徒の撮った写真を彼ら自身の手で本に載せる分を選ぶとき、「え、それを使わないの!」と思うことも多いかったそうです。でも、みんな違ってみんないい。
石川先生は、「学校では生徒たちが『選ぶ』ということがあまりなく、決められたようにやることが多い。写真は、たくさん撮るより、その中から残すものを選ぶことが大変。でも、大切だよな、自分も中学生の時にこんな授業があればよかった」
と語ってくれました。
石川先生の教室の空間作りは、ボクの記憶にある学校とずいぶん違って、自由な発想がありました。全員同じところにいなくても、落ち着ける場所、一人になれる場所が必要と、教室の後ろを棚で仕切り、物陰を作っています。
これはずいぶん異質な取り組みに見えますが、10年も前から文科省で推奨している空間作りだそうです。
「でも、みんなやらないんだけど」
ボクははじめてお話を伺ったのですが、授業も空間作りも異質に思えて、どうして公立の学校でこんなことができるのか、疑問に思ったので質問コーナーで率直に聞いてみました。
先生は、「一足飛びではこの形にはならない。少しずつ、今できることを一つずつ積み重ねていったら、『まわりも学校のためになっている』とだんだん認めてくれて、次の一歩が踏み出せる。最初からこの形にはできなかった」とお話してくださいました。
ボクも教育委員会にいますが、学校という空間はよくも悪くも形が決まっていて、その通りにしかできないと思っていましたが、そうではないということが同じ十勝の町で実証されていました。
鹿追町図書館でも、各小学校にご協力いただき本の読み聞かせを行っていますが、なにか学校の可能性は無限で、限界を作っているのはボクらサイドなんじゃないか、子どもたちのためにもっといろいろできるんじゃないか、と感じました。
大きな学びの時間でした。
今日はこの辺りで。
鹿追町図書館、日曜日は午前10時から午後6時までの開館です。
世間では土・日・月と三連休。図書館は三日間とも開いています。せっかくだから来てね。
それでは~。