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「ボッコちゃん」星新一 新潮社

「ボッコちゃん」星新一 新潮社

 

ブログの大先輩、石川直樹さんがショートショートの神様、作家の星新一さんの作品を薦めていたので、ボクも、「家に何冊かあるよなー、段ボール箱の中かなー」と、本棚を探すと、運よく、何年か前に表紙がリニューアルされた「ボッコちゃん」が出てきました。全部読むのもいいけど、まずは気になる一篇を。

 

『愛用の時計』

さすが、ショートショート、始まった、と思ったら、3ページで話が終わる。

 

なんとなく、ボクの師匠に教わった、世阿弥の唱えた能の技法、「序・破・急」を感じました。

 

K氏が気に入って、大事に大事にしていた大好きな時計。手入れも欠かさず、メンテナンスもきちんとしていて、そのおかげで時間に正確。

ところが、あるとき、その時計の時刻が狂ってしまう。その訳とは…。

 

その訳が、書かれているようないないような、解釈を読者に任せるところも、起承転結の「結」ではなく、序破急の「急」でしょうね。

3ページで、いろいろ考えさせられました。

ワンアイディアを、惜しげもなく3ページで使い切ってしまうのは、もったいない気もしますが、それができるところが星新一さんのすごいところ。

序破急、大切ですね。

 

あ、ボクの家の本棚にもありますが、鹿追町図書館でも貸し出ししています。というか、だいたいの本屋さんや図書館でも読めると思います。