藤村正宏氏の主宰する、エクスマ塾やエクスマセミナーにて、「価値を伝える」ということを勉強している。
北海道エクスマOB会に参加した。
比布町で行われている月に一度の講座の前に、先生がいらっしゃるならと北海道の塾生が同窓会的に企画してくれたものである。ありがたい機会。
先生の講演を聞き、卒業生同士の自己紹介がひとしきり終わって交流会でトークショーが行われた。そこで司会のヴィーノ(芸名。日本人である)からみんなと確認し合いたいと問いかけがあった。
エクスマで言う、【モノを売るな体験を売れ】とはどういうことか、みんなわかっているだろうか。
ということについてだった。
【体験を売る】とは体験商品とは違う。
そば打ち体験や農業体験は、エクスマの【体験を売る】ということではない。
実は、3月に東京でも63期の卒業生で同窓会をおこなって、先生から問われていた。
そのときは、「これが言えなかったら塾生って言えないぞ」とのお言葉つきなので、震えあがって常に考えていたが…。
世の中に商品・モノはあふれている。
他に代わりの利く【モノ】を売っていても他の人が値段を下げたらそちらが売れていく。そこに対抗して値段を下げても、きちんと利益が出なければ続けていけない。価格競争をしてはいけない。そのために、モノをモノとして売っていてはいけない。
お客さんがそのモノを買うとどうなるのか。
例えば、布団がほしい人は、布団がほしいわけではない。
すでに禅問答のようだが、そうではない。いや、そうかも。それは置いておいて…。
布団を探している人は、心地よく眠り一日の疲れを取って次の日すっきり目覚めてまた仕事や遊びにエネルギーを発揮したいのだ。
ノートにメモって必死に食らいついてみたが、なかなかズバッと答えが出てこない。
いきなり自分のことについて考えると迷宮入りするので、仲間の商売で考えてみた。
モノを売る=
お客さんによく切れる包丁を買ってもらう。
コトを売る=
お客さんが家でストレスなく、また、おいしく料理ができるようになる。
体験を売る=
見事に研いだ包丁は、野菜の味さえ変えておいしくなる。野菜の嫌いだった子どもがよく食べるようになって、朝ごはんをきちんと取り、学校でも昼まで元気。健康で成績もよくなった。
お父さんも料理がおいしいので早く帰ってきてみんなで夕飯をとれるようになる。
お母さんも、料理がしやすくなり、イライラしないので家族が仲良くなった。
……ということだろうか?
企業側・店側が主語になるのか、そうではなく、お客さんの方が主語にならないといけない。売らんがための理屈付けではなく、提供されるお客さんの方から見て、どうであるか。
とすると、自分の仕事で考えると…。
図書館で本を借りるということは、お客さんに何をもたらすのか。
本を借りられる→モノの提供
本を読んだらそのジャンルに詳しくなって、成績や業績が上がる→コトの提供
本とは、先人の経験や知識を集積しているもの。経験や知識や考え方を受け継ぐということは、ゼロからでなく、先人の到達点から出発できる。その分早く、今までのゴールに到着できるし、さらにそこから積み上げていけるということである→体験の提供
合っているだろうか…。
そもそも、本ならばテレビや布団以上に、本屋さんにもAmazonなどネット書店にも別の図書館にもまったく同じものがある。
モノで独自化はしがたいのである。
読書によって得られる体験…。図書館職員こそわかっていなければならないが、まだまだ整理できていない。
そうであれば、翻って自分が読書で何を得たのか。
難しいな…。
あ、ここで【難しい】と思うと答えが出ない。
カンタン、カンタンとつぶやこう。
カンタン、カンタン。明日のボクが考えてくれるさ。
投稿者プロフィール
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北海道鹿追町の図書館で働いています。心に残っている本は、一冊というのはとても難しいのですが、小学校高学年で読んだ「がんくつ王」です。
物語を心に宿すことのできる、読書の魅力を伝えていきたいです。
こちらのブログは、個人の意見を書き連ねています。
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