こんにちは。北海道十勝鹿追町の公務員、図書館で働いている石川誠です。
全国図書館大会での文藝春秋さんの「図書館で文庫本を置くと無料の意識づけがされてしまうので、やめてほしい」という発表が波紋を呼んでいます。大きな波紋の一つが、キングコング西野亮廣さんの「全国の図書館に新刊を自費で送ります。いらない場合は返品費用と手数料を後ほどお支払いします」という宣言です。
図書館が本の売り上げを減らしているのではない。出版業界や書店と図書館は利害が対立していない、という主張をされています。
実はボクはその話が流れる前に、「面白そうだな。話題になりそうだし、自分で買おう」とこの本は買っていました。また次の機会にこの本のことを書きたいと思います。
さて、「へー、こんな本、あるんだ。ちょっと読んでみようかな」というきっかけになってほしいと思って「今日は何の日?」をテーマに図書館の本を紹介しています。
田中みのるさんのメルマガによると(田中さんのホームページでも調べられます)だいたい一年365日、「何かの日」になっているそうです。
さて、10月16日はこんな日です。
自分色記念日、世界食糧デー、ボスの日
※【人と色の日・自分色記念日】
人が生まれながらに持つ髪や目、肌の色などと調和して、その人にいちばん似合う色が自分色(パーソナルカラー)。
個性を引き立て、魅力を引き出すパーソナルカラーの効果的な活用法などを提案する有限責任中間法人の日本パーソナルカラリスト協会が制定。
日付は10と16で「ヒトイロ=人色」と読む語呂合わせから。
「似合う色がわかる本(カラーアナリストが教える本当に似合う色)」桶村久美子 中経出版 2002年刊行
「ビジュアルカラーコーディネート」徳永聖一郎 講談社 2000年刊行
「トコトンやさしい色彩光学の本」前田秀一 日刊工業新聞社 2016年刊行
「色の教科書(暮らしがもっと楽しくなる!)」桜井輝子 学研パブリッシング
ふだん、あまり色に気を配っていないのですが、家で実物大ガンダム像の写真&製作者インタビュー集を読んでいたときに色の話が出てきました。
今日の朝読は【Real-G〜1/1scale GUNDAM Photographs〜】。
実物大スケールのガンダム像が2009年に台場潮風公園で公開されました。その立像写真(山口規子さん撮影)と製作に関わった人々のドキュメント。
精密なモデル。カッコよく美しい!
#ロダンの朝読 pic.twitter.com/K6hVprgF4R— 北海道十勝の鹿追町図書館員、石川誠 (@ishi_makoto) October 15, 2017
ガンダムは白が多く、同じ白だと見栄えがしないので、権利者のサンライズと立像の製作技術者チームが話をして、「各パーツはいろいろな工場で別々に作られたという設定にして、グレーを使いながら色のメリハリをつけましょう。同じ工場で作られたパーツは塗装色を合わせて。それなら靴上がったときに単調にならない」というようにして完成度をあげたそうです。
また、ガンダムの生みの親、富野さんは「おもちゃカラーだが、結果的にこれでよかった。ハッピーでピースフルな見え方だ。兵器を意識したミリタリーカラーにしたらミサイルが飛んできたかもしれない」と語っています。なんでも、企画の最初には富野さんには打診がなく、プロジェクトが中止できない段階になってようやく話が来たそうです。「最初に俺のところに話が来ていたら、このプロジェクトは認めなかった」とも、書かれています。忌憚のない意見とはこういうことを言うんだなぁ、と思いました。
あ、ちなみにガンダムはアニメ出てくるだけで「実物大」といっても実物がないので正確ではなく、1分の1ガンダム像という表現が正しいらしいです。はい。
色の話のようでいて、自分の趣味の話でした。
※【世界食糧デー(World Food Day)】
国連食糧農業機関(FAO)が1981(昭和56)年に制定。国際デーの一つ。1945(昭和20)年、FAOが設立された。開発途上国等での栄養失調や飢餓について考える日。
「世界から飢餓を終わらせるための30の方法」ハンガー・フリー・ワールド 合同出版 2012年刊行
「食料と環境問題(世界と日本の食料問題)」山崎亮一 文研出版 2011年刊行
ボクが子どもの頃に、世界の人口は55億人と聞いたような記憶がありますが、子どもの頃より30数年が経って、男の数が世界に35億なので、倍にして70億くらいです。増え続ける人口による食糧需要を満たす供給をしていくか、大きな問題です。
「ナショジオと考える地球と食の未来(私たちはいつまで食料を確保できるのか?)」日経ナショナルジオグラフィック社 2016年刊行
食糧問題について、わかりやすくまとめられています。
ボクは実家が酪農家なので、いろいろいろいろ考えてしまいました。
※【ボスの日】
1958(昭和33)年、アメリカのパトリシア・ベイ・ハロキスさんが、会社を経営していた父の為に提唱。
経営者と部下の関係を円滑にするための日。アメリカではボスを昼食に招待したりプレゼントを贈ったりしている。日本では1988(昭和63)年からデパート業界が実施している。
「『ボス』と慕われた教師(学校づくりは石狩で、カンボジアで)」小山内美江子 岩波書店 2003年刊行
小椋英史先生、校長になって次々と新しいアイディアを出します。ノーチャイム・ノーホイッスル運動。「教職員は腕時計をしているし、教室にも校庭にも立派な時計がある」と、導入。最初は混乱があったものの、次第にうまくいくようになりました。周りの先生は、「チャイムやホイッスルの合図に従わせるのではなく、自ら行動する。これが教育なんだな」と感じたと言います。
一人一冊一年間熟読のアイディアは、冊数を多く読めばスゴイ、というのではなく、しっかりじっくり名作を味わい、読み取ってもらいたいとのことで取り組まれたのでした。
退職のときに、教師の有志で贈る言葉を載せた小冊子が作られました。
「思ったのなら、やれ。校長は検事ではない、最終弁護人だ。あの言葉、忘れません」
これは、素晴らしい言葉だと思いました。
素晴らしい本、素晴らしい言葉、素晴らしい方に出会えました。
「ゴリラのボスになった力三さん(世界が驚いた!ゴリラと心を通わせた飼育係の物語)」綾野まさる ハート出版 2002年刊行
戦争のときの、ゾウのエピソードを読んで泣きそうになりました。
東山動物園でも、上野動物園と同様に「猛獣を殺せ」と軍から命令があり、多くの動物を獣医と飼育員が、やりきれない思いでその手にかけました。
三頭のゴリラとのエピソード、人間とゴリラは心を通わせられるのか。
人とゴリラの種の垣根を越えた力三さんの愛で、心が通い合ったのです。
しかしゴリラに対してボスであるには、肉体的に彼らより強いことを示さなければなりませんが、どんどん成長していくゴリラを力にて制することができなくなり、悲しい別れが訪れました。でも、最後まで読んでほしい本です。
児童書で、ひらがながふってあるので動物好きの小学校3年生くらいからおススメです。いつも本を読んでいる子はもう少し小さくても読めます。
「ボスがきた」たけうちまさき 偕成社 1980年刊行
一人の児童、たけうちくんが施設にやって来た子犬に親と別れて暮らす自分の境遇を重ねます。子犬は『ボス』と名づけられました。
大切な友人として一緒に暮らした『ボス』にも最後の時が訪れます。その悲しみたるや、大変なものでした。たけうちくんはその気持ちとボスとの思い出を絵にして、【ボスがきた】という絵本になりました。
今日はこのあたりで。それでは~。
投稿者プロフィール
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北海道鹿追町の図書館で働いています。心に残っている本は、一冊というのはとても難しいのですが、小学校高学年で読んだ「がんくつ王」です。
物語を心に宿すことのできる、読書の魅力を伝えていきたいです。
こちらのブログは、個人の意見を書き連ねています。
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