図書館で、読みたいなと思った本が見つけられないとき、そのままお帰りではないですか? こんなこと聞いたら、悪いのではないかな、と思っている利用者さんへ。

お探しの本、どんどん、図書館の人に相談してくださいね。みなさんの要望や悩みに答える本を揃えていますし、棚から探しますし、図書館内に無ければ手配して用意します。ボク達は、そこにやりがいを感じています。

こんにちは、北海道の十勝、鹿追町図書館で働いている石川誠です。

お探しの本が見つからないとき、ぜひ、図書館のスタッフにお声かけいただきたい理由は、大きく分けて3つです。

先人の残した知識、知恵が本の形で残されています。読んでどんどん自分のものにしてください!

1.図書館で、棚からお目当ての本を探すのは意外と難しかったりします。

例えば、仕事の悩みを解決する本も、いろんな棚に分かれて置かれています。部下との仕事の仕方で悩んでいて、それを解決する本は、生き方のコーナー、仕事の仕方のコーナー、日本語(言語)のコーナー、最近では、ビジネス支援のコーナーなど、多くのコーナーに分かれていて、あなたの目の前の棚以外にも、あなたのための本がたくさん用意されているのです。

2.あなたのお探しの本、実はその棚にはないけど、別の棚に並んでいた、ということも良くあるのです。

スタッフは本を探すプロです。どんな本があるかはお客さんよりもちろん詳しいし、館内の蔵書の検索機で調べるより、カウンターで図書館員が使うパソコンでの検索の方が多くの本を見つけられたりします。小さな町のうちの図書館でも、蔵書は8万冊ありますし、その中からみなさんのお目当ての本を探すのは、ちょっとしたコツがいる場合もあります。

こんな風に、時期に合わせた本を集めてコーナーを作ったりしています。そのため、棚からこのコーナーに本が移動していたりして、その棚には無い、ということもあるのです。

 

3. 我々はAIでなく、人間です。お客さんが、「この本、読みたかったんだ。あって良かった」と借りていただけると、とても嬉しいです。

「お役に立てた!」と、さらに次の方のために、「がんばろう」という気力もみなぎり、いい循環で仕事ができます。遠慮されているなら、ご遠慮無用です! 我々も、聞かれて応えられたらうれしいし、もしその本がなければ手配いたしますし、それが蔵書の充実にもなります。実は、どんな本が喜ばれるか、どんな本が子の図書館に必要かは、毎日考えています。こういう本が読みたいというご質問をいただいて、それが無かったとなると、悔しいです。そういうことがあると、限られた予算ですが次にお客様が来られた時に、満足してもらえるように蔵書を殖やそう、ということにもなります。「こんな本、探してるんだけど…」とぜひお声かけください。

本を読みふけってくれる姿を見ると、本当に働いていて良かったなと思います。

書いているうちに、4点目を付け加えたくなりました。

4.公共図書館は、全ジャンルについてくまなく本をそろえる使命があります。

本は、先人が残してくれた、経験がいっぱい詰まっています。先人がぶつかって、解決できた悩みの本も全ジャンルについてあります。鹿追町図書館の場合は、予算規模の問題もありますが、実は、うちの図書館に無い本でも、全道の図書館でネットワークを組んでおり、「利用者さんがこの本読みたいと言っているけど、うちの図書館にはなかった。でも、あなたの図書館にあるなら、貸してよ」といって、取り寄せの仕組みがあります。リクエストという仕組みもあり、こんな本を図書館で置いてほしい、というご要望、全部に応えられるわけではないけど、できる限りのことはしたいと思っています。

以上、4つのポイントから、ぜひ、「こういった本、ありますか?」と図書館でスタッフに聞いてほしいです。

図書館はただ本を並べてある施設ではなく「読みたい気持ちに応える」ために全国に設置されています。ぜひ、お声かけください。

ボクもカウンターで仕事をしていて、小さなお子さんがニコニコして、「このほん、かしてください」と言われると、本当にうれしいのです。大人の方から、こういう本ありますか?というお問い合わせに、ぴったりした本を見つけられると本当にうれしいのです。せひ、お気軽にお声かけください。図書館は静かに、となっている所が多いのですが、そこはどんどんお話しくださいね。

投稿者プロフィール

石川 誠
北海道鹿追町の図書館で働いています。心に残っている本は、一冊というのはとても難しいのですが、小学校高学年で読んだ「がんくつ王」です。
物語を心に宿すことのできる、読書の魅力を伝えていきたいです。
こちらのブログは、個人の意見を書き連ねています。

About

北海道鹿追町の図書館で働いています。心に残っている本は、一冊というのはとても難しいのですが、小学校高学年で読んだ「がんくつ王」です。 物語を心に宿すことのできる、読書の魅力を伝えていきたいです。 こちらのブログは、個人の意見を書き連ねています。